オープニングの音楽と共に映し出されるパリの遠景とそれをベランダから眺めるロマン・デュリスの後ろ姿、途中様々なシーンで出てくるのですが、それだけで素晴らしい。市場で働く人々から有閑マダムまで、パリで普通に生活する様々な人々の様子が織り込まれたストーリーで、決して華やかだったり心躍ったりする作品ではありません。映画に何かしらのファンタジーを求める私には完全にフィットしなかったけれど、でも登場する人々に共感し、街の美しさに感動する作品でした。
そして ジュリエット・ビノッシュ。とても良かった。レオン・カラックスの作品に出ていた頃には「愚鈍そうで大キライ」だったのですが、最近の彼女の出演作をいくつか観てファンになったところ。年を重ねる毎に素敵になっているなと思いました。
ゾエ・カサヴェテスがパリで撮影した初長編作、' broken english ' (これ、マリアンヌ・フェイスフルだ)もスルーなのかな。