1/ 映画館で観たちょっとおしゃれな感じの予告編に出ていた主人公の女の子が友人になんとなく似ていた事。
2/ ママン役のジュリー・ドパルデューが好きな女優のひとりだった事。(RIP Guillaume...ヒース・レジャーに続き、素晴らしい俳優が逝ってしまいました)
3/ 1970年、共産主義が席巻していた頃のパリ、という設定が面白そうだった事。
4/ 無精髭の俳優たちが素敵に見えた事。
5/ 仏頂面のこどもが好きな事。
などなどから気になっていたこの映画。
すごく良かったので調べてみたところ、さすがフランス映画、奥が深かったです。
1970年生まれの監督はこどもの為のドキュメンタリーなどを制作していたというキャリアを持つギリシャ人女性で、お父さんは「ミッシング」(チリの独裁政権をテーマにした作品、かなり昔に観た覚えが)でのアカデミー受賞監督という、いわゆる映画監督2世。
ローマに住むイタリア人女性の書いた原作の舞台をパリに移し、スペイン貴族階級の父、マリ・クレール編集者の母(とかわいい弟)を両親に持ち何不自由ない生活を送る女の子が、共産主義とウーマンリブに目覚めゆく両親に振り回され、反抗しながらも成長していく、というストーリー。
ほのぼのとしながらも、その裏に隠された明快な事実が興味深い作品でした。
迷いながらもポリティカルな道を進み始める両親、伯母、フランス語が話せるのに話せない振りをする従姉妹、いかにも保守的な同級生のフランス人母娘、などなど、登場人物がみんな魅力的なのですが、圧巻は主人公のアナ。
への時にきりりと結ばれた口を持つ頑固な女の子で、気に入らない食事に手を付けなかったわがままの罰として制服を着たままママにシャワーを浴びさせられるシーンがスーパーかわいかった!
同じ頃のパリを舞台に、小説家でリベラルな両親(とかわいい弟)を持つアメリカ人少女の成長を描いたジェームス・アイヴォリー監督「シャンヌのパリ、そしてアメリカ」、も原作(こちらは小説家2世の女性)ともに素晴らしい作品です。