August 15, 2008

white knight, dark knight





監督がイギリス出身と知って納得、バットモービルさえ俊敏な馬に思える未来の騎士譚「the dark knight」。ニューヨークを舞台に、全編に流れる圧倒的に重厚なゴシック・テイスト(音楽にも鳥肌が)はかなり楽しめました。アメリカン・コミックが原作とは思えないエレガントな作品で、同じくコミックが原作/ラブ・トライアングル/ヒーローの苦悩がテーマの「スパイダーマン」とは全く異なる趣向。キャスティングも秀逸で、特に脇を固める名俳優、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマンの上品で年輪を重ねた演技がストーリーに貴重な'軽さ'を与えていたように思います。主演と言ってもおかしくないヒース・レジャー、彼の役どころのルックスはピート・ドハーティ、イギー・ポップ、シド・ヴィシャスといった筋金入りのロック・ボヘミアンにインスパイアされたそうで、30年前、突然現れたシド・ヴィシャスの姿は、ロックに全く興味のない普通の人の目には恐らくこのジョーカーのように映っていたのかもしれません。そして暗黒の騎士と光の騎士に愛されるマギー・ギレンホール。彼女のクールで知的な存在感がこの映画をモダンでリアルなものにしていました。余談ですが、「スパイダーマン」のヒロイン、キルスティン・ダンスト(マギーの弟とつき合っていた)同様彼女も「美しいのか、アグリーなのか」と評価が分かれるようですが、私は断然ふたりの大ファンです。(ふたりとも私と同じmayleのバッグを持っているし。)